
オーバーホールの料金が安い手巻き式時計
多くの機械式時計はモデルの価格も高額ですが、メンテナンスにも数万円の安くはない料金がかかります。オーバーホールと呼ばれるプロへ依頼するメンテナンスは、摩耗したパーツの交換や、潤滑油の充填などを定期的に行い、時計の状態を良好に維持し続けるためのものです。機械式時計には、オーナーがリューズを使ってゼンマイの巻き上げ作業を行い駆動力を得る手巻き式時計と、腕が動くことで装着した機械式時計のゼンマイが自動的に巻き上がる自動巻き式時計の2種類があります。
駆動力を得るのが簡単な自動巻き式は人気がありますが、手巻き式にはオーバーホールの費用が比較的安価だと言う大きなメリットがあるのです。時計メーカーによっても異なりますが、手巻き式のオーバーホールは自動巻き式よりも10%から20%程度安く設定されていると言われます。機械式時計は正しいメンテナンスによって長持ちするので、ランニングコストは注目すべき点でしょう。
自動巻き式よりも修理代が安くて故障しにくい
自動巻き式の機械式時計は、手巻き式に比較して内部機構に使用されているパーツの数が多いです。モデルによって巻き上げ方式や、ローターの回転する方式などが異なりますが、いずれにしても自動的にゼンマイが巻き上がる仕組みには多くの繊細なパーツが搭載されているのです。一般的に手巻き式よりもケースが厚いと言われるのも、手巻き式よりもパーツが多く機構が複雑だからと言えます。
手巻き式の機構はシンプルな構造をしているので、機械式時計に適した取り扱い方をしていれば故障しにくく、故障しても修理代は安く抑えられるのが大きなメリットです。自動巻き式は近年、ケースを堅牢にするなど耐久性を考えたモデルが販売されていますが、複雑な機構ゆえに故障しやすく、修理代もパーツの多さから高額になりやすいと言えるでしょう。